夜明けを待って
余命
気が付くと、ベッドの上にいた。


白い壁と天井、遠くの方で声がする。


台車を引くような、カラカラ音がする。


「志音!?」


ぼうっとする頭を左にもたげると、お母さんと朱里がいた。


「お…かあ…さ…しゅ…り」


何故か声が上手く出せない。


「昨日店から煙草買いに行くって出たっきり戻らんで、達也が探しに行ったら…あんたが路地で倒れてたって…」


倒れた??


ただ酔っ払っていただけじゃないのか。
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