夜明けを待って
ネオンを見ていたら、あいつに急に会いたくなった事だけ覚えてる。


「ママ」


朱里が心配そうな顔で覗きこんでいた。


にこりと笑うと、眉をひそめて下を向いてしまった。


「達也は」

「帰ったよ」

「今、何時??」

「朝方の4時」


案外時間は経っていないみたいだ。


また真っ直ぐ天井を仰ぐ。


倒れるほど飲んだつもりは無かったのに…病んでいる時の酒は怖いなあ、なんて朦朧とする頭で思っていた。
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