夜明けを待って
ゆっくり寝てくれなんて言われても、眠れないものは眠れない。


寝返りをうってみたり、採血されたあとを見つめてみたり、特に意味の無い事を続けてみる。


でも、目はどんどん冴えてくる。


病院って場所は、常にいつでも変な胸騒ぎをくれる場所。


あたしは自信があった。


ただの酒やけだって。


あたしは病気になんか、なってない。


なってる暇もない。


それでも人間の気持ちって言うのは不思議なもので、検査とか聞かされたら誰でも不安になる。


あたしみたいな図太い女でも。
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