夜明けを待って
泣いても泣いても、涙が底をつかない。


怖いって、あたしは何が怖いんだろ。


まだ何にも決まった訳じゃないのに、あたしは恐怖に支配されていた。


怖くて怖くて、神様がちょっとした悪戯で、あたしの夢にあいつを連れてきたなら。


神様の首を絞めてやりたいとすら思う。


「優…輝。あいた…い」


呟くのが精一杯だった。


情けない。


あたしはここで何やってるんだろう。
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