夜明けを待って
ただひたすら泣いて泣いて、二時間経った頃に落ち着いた。
何でか胸のつっかえが取れて、自然に背筋が伸びる。
「疲れてたかな…」
ベッドから降りて、洗面所の鏡の前に立つ。
花街の“揚羽蝶”が、やけにスッキリした顔をして映ってる。
いつだったか…二年前に白血病で亡くなった一番の得意客が
「揚羽蝶や。志音、お前は揚羽蝶や」
そう言ってくれた事があった。
何でか胸のつっかえが取れて、自然に背筋が伸びる。
「疲れてたかな…」
ベッドから降りて、洗面所の鏡の前に立つ。
花街の“揚羽蝶”が、やけにスッキリした顔をして映ってる。
いつだったか…二年前に白血病で亡くなった一番の得意客が
「揚羽蝶や。志音、お前は揚羽蝶や」
そう言ってくれた事があった。