境界
吾郎の常識感
その後、幸子たちは、週末には必ず会うことになる。
吾郎は結婚をしている身ながら、
何かと理由を見つけては、幸子と会う時間を作った。
当初、吾郎は軽い気持ちだったが、
幸子と会う回数を重ねるたび、幸子にひかれていった。
智美の母の法事がある日だった。
不謹慎だが、吾郎にとっては、都合よかった。
智美が実家に帰るため、久しぶりにまる一日自由になれた。
その日は、神戸までドライブに出かけ、
日が暮れる頃、モザイクの観覧車に乗った。
実は、吾郎は付き合った女性とは必ずここに来ていた。
そして、ある儀式をすることになっている。
その儀式とは、観覧車の最上部で、キスをすること。
特に理由はないが、吾郎の中では大切なイベントとなっている。
当然、幸子とも観覧車の中でキスをした。
その後、いつものように、ホテルに向かった。
幸子は、苦しんでいた。
「もう、こんな関係をやめましょ。」
「急に、何を言い出すんだ。」
「やっぱり、こんな関係はよくないと思う。」
「吾郎さんには、奥さんも子供がいる。上の子は、私の妹の愛香と同級生だし…。
それに私には彼氏がいるわ。」
「そんなことは、最初からわかっていたことじゃないか。俺は絶対イヤだからな。」
幸子も別れたいわけではなかった。
ただ、自分自身の感情をコントロールできなくなってきていた。
自分でも、どうしたいのか、わからないというのが実情だった。
吾郎は結婚をしている身ながら、
何かと理由を見つけては、幸子と会う時間を作った。
当初、吾郎は軽い気持ちだったが、
幸子と会う回数を重ねるたび、幸子にひかれていった。
智美の母の法事がある日だった。
不謹慎だが、吾郎にとっては、都合よかった。
智美が実家に帰るため、久しぶりにまる一日自由になれた。
その日は、神戸までドライブに出かけ、
日が暮れる頃、モザイクの観覧車に乗った。
実は、吾郎は付き合った女性とは必ずここに来ていた。
そして、ある儀式をすることになっている。
その儀式とは、観覧車の最上部で、キスをすること。
特に理由はないが、吾郎の中では大切なイベントとなっている。
当然、幸子とも観覧車の中でキスをした。
その後、いつものように、ホテルに向かった。
幸子は、苦しんでいた。
「もう、こんな関係をやめましょ。」
「急に、何を言い出すんだ。」
「やっぱり、こんな関係はよくないと思う。」
「吾郎さんには、奥さんも子供がいる。上の子は、私の妹の愛香と同級生だし…。
それに私には彼氏がいるわ。」
「そんなことは、最初からわかっていたことじゃないか。俺は絶対イヤだからな。」
幸子も別れたいわけではなかった。
ただ、自分自身の感情をコントロールできなくなってきていた。
自分でも、どうしたいのか、わからないというのが実情だった。