境界

まさか…。

 川越クリニックでの診察時のことである。

 今までは、うつ病とパニック障害と診断されていた。

 川越院長が
「うちでは、もう面倒見切れません。
紹介状を書きますので、次回からはこの病院に行ってください。」

 この言葉を聞いた瞬間は、
突き放されたというか、
見放されたというか、
絶望的な気持ちになった。
 しかし、結果的には、これが良かったのである。

 紹介先の病院は、
平田クリニックというところだった。

 平田院長の診察を受けていた時のことである。
 最初は、自分の生い立ちから始まって、最近の出来事について話していたが、
 その時に自分の耳を疑うような話が、幸子の口から聞こえてきた。
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