月捜し-執事を探せ!-
「そういえばお前の魔法ってそんなに役立たずなのか?」


私はどうせバカにされる事を覚悟で、魔法の事を話した。

花を降らす事が出来るだけなんて何の役にも立たないよね。

レーノだってきっとバカにするよ。いじめる事はなくてもあいつらみたいに、きっと。


「役には立たなさそうだけど、良いんじゃないか?」


さっき見たいな笑い方はそこにはなくて、

何処か遠くを見るような寂しげな笑みを浮かべながらレーノは言っていた。


「少なくとも、俺よりは」


ぼそりとそんな事を呟いたようにも聞こえたけれど、

その言葉に深い意味はないと思うから私は聞こえないふりをする。
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