月捜し-執事を探せ!-
そしてそれが今に至ると言う訳で。

外は明るくなって来ているのに、まだ日は登っていない朝。

私はレーノを待ち合わせ場所である町の出入り口で待っていた。

思えばお父さんも、お母さんも、おばあちゃんも……

よく反対しなかったよな。もしかして、私が玉の輿に乗るとでも?

そんな訳ないのにね。唯一お兄ちゃんだけが反対したっけ。

“そんな都合の良い話がある訳がない”ってさ。

でもお兄ちゃんのそんな訴えは却下される事となる。

私たち家族の中で1番の権限を持っていたのは、お父さんだったから。

お兄ちゃんはついて行くと言っていたけれど、丁重に断っておいた。
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