月捜し-執事を探せ!-
もうすっかり慣れてしまったカンゾウさんの笑みを見届けてから、

私はどういう事なのかを聞いてみる。


「アイツも、ワタクシの倅(せがれ)もレーノ様の一族の使用人です」


うん。カンゾウさんのお孫さんが執事さんって時点で何となく分かったかも。

カンゾウさんは私に構わず続きを喋っているから、それに耳を傾けてみた。


「ツキシロ……ワタクシの孫は今から10年前、レーノ様が8歳の頃からお世話を始めまして。
レーノ様はツキシロに懐いておりました。ワタクシも業務の合間合間に、
それを微笑ましく見ておりましたっけ。懐かしい思い出です」


目を細めて昔を懐かしむようなカンゾウさん。余程幸せな光景だったんだろうな。

お孫さんの名前、つまり探し人の名前もツキシロさんって分かった事だし。

少しはレーノに叱られずに済むかな?
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