月捜し-執事を探せ!-
「レーノ様、お疲れのご様子ですが……少々お休みを取られてはいかがでしょう?」


やっぱりレーノも疲れていたんだ?

だったら我慢しなくても良いのにな。たまには休みだって必要なんだから。


「まだ俺は歩く事が出来る! 心配は無用…………」


そう言うレーノの顔はちょっと疲れている。多分、私も似たような表情をしていると思う。

カンゾウさんは溜息を1つ吐いてレーノと……あろうことか私を抱えて、

爽やかな笑みを浮かべてから私達にこう告げた。


「次の町まで1km程あります。ですがこのままだと2人とも共倒れは間違いないでしょう。
僭越ながら、ワタクシがお運びいたしましょう」


右手に荷物とレーノ。左手に荷物と私。恥ずかしいから降ろして欲しいけれど、

文句も言っていられない。このまま倒れる可能性は少なからずあるから。

レーノは何を言っても無駄だと分かっているのか、妙に大人しくしていた。
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