月捜し-執事を探せ!-
いじめっ子達はその人を見て、逃げて行っちゃった。

誰かな?と思って覗きこもうとしたら、私の方に振り向いてくれた。

その顔はとても綺麗で女の子のよう。


「怪我は……ないみたいだな」


軽く笑ってそう言うのは、やや低めのトーンの声。

髪の色と同じ灰色の瞳の男の子。きっと私より年上。

えーっと……だれだっけ?何処かで見た記憶があるんだけどなあ。

“ないよ”って言ってお礼を言おうとしたら、

そのまま何処かにいなくなっちゃって。去り際に見せたのは少し悲しそうな顔。

何だったんだろうなあ……気になる。でも、それにしてもそれにしても。
< 3 / 52 >

この作品をシェア

pagetop