月捜し-執事を探せ!-
お父さんは権力を使い強引に木の伐採を決定させ、木はすぐに切り倒された。

この場所はそんな悲劇の場所なんだと、カンゾウさんは教えてくれた。


「そんなのって……!」
「ワタクシにはどうする事も出来ませんでした」


本当にひどい話だと思う。この事故は誰かが悪くて起きたものじゃないのに。

切り倒されてしまった木が本当に可哀相に思える。


「その後、それを知ったレーノ様は深く傷付きました。
自分の所為で木は切り倒されてしまったのだと、自身を責められたりもしていました。
なのでそんなレーノ様からすれば辛い思い出のある場所へ来るなんて、思ってもいませんでした……」


“ワタクシは執事失格ですね”と、更に小声でカンゾウさんは付け足した。
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