月捜し-執事を探せ!-
でも偶然は重なると言うもので。

その翌日、とある大きなお屋敷からあの彼が出てくる姿を目撃したの。

あのお屋敷は確か……あ、この町では1番の大富豪さんのお屋敷だ。

って事は彼は本当に王子様だったって事?そんな凄い人に私は助けてもらったの?

私はあまり人の事を知ろうとしないから、

必要最低限な情報以外、例えば誰がどんな家柄の人間かなんて知る気にもならなかった。

ああ、だからいじめっ子達は彼を見て逃げ出したんだ。

自分の家を権力によって潰されたくはないから。

でもそれを知った所で1番知りたい情報を掴んだ訳ではない。

今1番知りたいのは彼の名前。それ以外の情報は私にはまだ早すぎたのだ。
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