月捜し-執事を探せ!-
告白は出来なくても良いからせめてお礼だけでも……っ!

遠くにいる彼の元へ走って、だんだんその姿が大きくなった頃に、

嫌な予感がして後ろを振り向いた。

そしたら野球のボールくらいの大きさの石が、勢いを付けて飛んで来ている。

明らかに魔法の力を使ったその石を、私はかわす事が出来なかった。

かわすには時間が遅すぎて。本当に意地悪もエスカレートしている。

もう駄目だって思ったその時だった。石の気配がなくなったのは。

私の周りを見てもそんな石が落ちた形跡は何処にもない。

じゃあ、あの石は一体どこに消えたんだろう?

ふと後ろを振り向けば右手を翳して、険しい顔をした彼がいた。
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