月捜し-執事を探せ!-
何処からともなく“ヤバイ、逃げろ”って声が聞こえて来た。

それは聞き慣れた声。また別のいじめっ子の仕業だってもう分かり切っていたけれど、

改めてそれが分かると余計にイライラするのは何故だろう。


「あ、あの……」
「またお前か……お前ってそんなに恨み買われているのか?」


呆れたような彼の声。そうだよね。だってまた私の事に巻き込まれたんだもの。

恨みは買われていないけれど、魔法をバカにされていると答えれば、


「バカにするのは優位な位置にいたいだけだ。恐らく、
自分達より下等な魔法を使う人間の存在が嬉しいんじゃないのか?」


その言葉に納得している私がいた。
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