月捜し-執事を探せ!-
“歳まで聞いていなかったんだけどな”と苦笑しながらも、

今度は彼が約束だからと言わんばかりに名乗ってくれる。


「レーノ。って言うか、お前俺の名前知らなかったのか?」


こくりと頷くとレーノは驚いたような表情をする。

何でそんな事をするのかはすぐに分かった。だって、この町で1番の富豪だから。

有名人となれば知らない人の方が珍しい。私はそんな珍しい存在。


「お前凄いな。バカにされて命狙われるし、無知だし」


楽しそうに笑いながらレーノはそう言った。

命を狙われている訳でも完璧に無知な訳でもないけれど、

これはポジティブに考えれると褒められたって事なのかな…………?
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