ひも

1章 螺旋

「今日も暇だなぁ」
男の名前は泉　佑樹。
「明日も暇だなぁ、明後日も暇だなぁ」
とりあえず、泉はいつものとおりパチンコが回転するまで、近くのコンビニで
立ち読みをしていた。
「よっしゃ、今日は勝てるような気がする」
泉は気合を入れてパチスロの三ダム３のダムの巡り合いをうっていた。
だが、ダムソードに発展したが、間違ってベルの順番を押し間違い、ARTから降下
してしまった。
「あー、くそ。プレミアムダム引いたっていうのによ。くそ」
男は金がなくなり、パチンコ屋を出た。
「いったん、帰るか」
泉はマンションに歩いて帰った。
マンションにつくなり、１０５の川崎の表札の部屋に入った。
「弥生帰ったぞ」
実は、その男はひもであった。
「はやくない、まだ11時よ」
「うるせーな、金がなくなったんだよ」
「えー、だって昨日の夜に一万円あげたでしょう」
「だってよ、おまえが出かけて来いっていうからよ。行く気はなかったんだよ。ちょっと
トイレだけ借りようと思ってパチンコ屋にいったらよ、新台が入っていてよ。
やっぱ、あれかなと思って、トイレだけ借りたら悪いから、千円だけ打ってやろうと思っ
たら、
いつのまにか、なくなっていたんだよ。まるで手品のように」
泉は上手いことまとめたなと思っていた。
「ばかじゃない。いつもんぐうたら寝てばっかしの生活じゃないの、少しは掃除くらいしたらどうなのよ。私が働いている間」
女は日ごろのストレスがたまっているうえにあの日であった。
「ちっ、うるせえな。そんなこといいから、幸子飯作ってくれよ。俺、腹へってさ」
「うるさいわね、今から部屋掃除するのよ、ほら千円あげるから夜まで帰ってこないでよね」
幸子は千円を泉に渡した。
「・・・わかったよ」
泉は不満そうにマンションを出た。
「あーくそ、幸子の奴、ぜってぇ、あの日だな。ちぃ、女って奴はよ。めんどくせぇな」
泉はとりあえず、腹を満たすため、牛丼を食べに行った。
「あー、食った食った」
そして、いつもの公園のベンチでビールを飲んでいた。