俺様のカゴの中
あたしの意志。



どうなったっていい。



あたしはあたしの人生を歩く。



雷さんがタイラさんに電話したら迎えに来てくれた。



駐車場で待ってるって。



車まで送ってくれると言った雷さんと玄関で靴を履いた。



「留宇」

「はい?」

「いい子で待ってたご褒美忘れてた」

「あっ!!チョコ!!ありがとう」

「そしてちょと…」



あたしを抱きしめるように引き寄せた雷さん。



肩に頭を置いてまたため息…。



「俺もとんでもねぇヤツに惚れたな…」

「ごめんなさい…」

「逃がさねぇから覚悟しとけ」

「雷さん…大好き…」

「ははっ!!ドMだな、お前」



雷さんに捕まえてもらえるなら…ずっとカゴの中でいいよ…。



しばらく抱きしめられてなんだかすごく安心した。



カラダを離した雷さんがあたしに優しくキスをした。



「頑張れるよな?」

「うん…」

「俺も頑張る」

「ん?」

「よし、送る」



手を握って雷さんのマンションを出た。



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