俺様のカゴの中
日本とフランスの時差は８時間くらい。



連絡は取れない訳じゃないけど、たぶん仕事でムリだ。



フランスに着いてホテルに行ったら高宮の部屋でこれからの作戦を立てる。



まず俺が留宇をもらうことで波紋が広がってるとでも言おうか。



まぁ、新島の評判が悪いため、なにかと因縁をつけられてる。



新島のやり方が気に入らないとか、そんな感じで食品関係からは嫌われてんだ。



まぁ、それに着いていくヤツらもいるけど。



うちが新島に吸収されるわけねぇだろ。



そもそも、これは留宇を日本に残すための計画だ。



虎宇も俺に留宇をやるかわりに合併とかを持ちかけたわけじゃない。



留宇の親父はその気でいるみたいだけど。



でも俺は留宇が手に入れば新島との縁なんて欲しくねぇから。



「高宮、俺のやりたいようにやったら…会長は怒るか？」

「どうだろうな。案外それを望んでんのかも」

「じゃあ俺は俺のやり方でやる」

「了解」



早く帰れるように頑張ろうと思う。



残してきた留宇が心配なのはあんまり考えないことにする。



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