俺様のカゴの中
ガキ相手になにやってんだよ俺…。



留宇の上から下りてカラダを起こしてやった。



作りモンみたいにデカい茶色い瞳からポロッとこぼれた涙。



一気に襲ってきた罪悪感…。



女なら誰だっていいけど、さすがに10歳下のガキはヤバいだろ…。



「悪かった…」

「雷さんっ…悪い人ですか?」

「男の部屋に上がるってこういう意味だ」

「わかり…ました…。ありがとうございます…」



襲いかけたヤツに礼なんて言われたのは初めてで。



腹の底から変な感情がこみ上げた。



「おもしれぇな、留宇」

「おもしろくない…」

「お前はもっと知るべきだ」

「なにを…?」

「世間と男」



そう言ったらキョトンとした顔をした。



やっぱ虎宇に似てんな…。



虎宇のそんな顔、見たことがある気がする。



「いつでも相手してやるよ?」



なんてからかうつもりで言った。



3回ほど瞬きをした留宇。



「じゃあ…彼氏になってください」



真剣な顔でそう言われた。



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