俺様のカゴの中
留宇の思考回路がわからない。



冗談を真に受けてバカじゃねぇかと思う。



「俺はやめとけ」

「どうしてですか?」

「ロクなもんじゃねぇ。それに、お前からしたらオッサンだろ?」

「雷さんはカッコイイですっ!!」



世間知らずのお嬢様が俺なんか相手にするもんじゃねぇよ…。



アスカくらいヤンチャなヤツの方が俺には合ってる。



「お前じゃ俺は扱えねぇよ」

「やってみなきゃわかんない…」

「本気で言ってんなら尚更やめとけ。虎宇に連絡する。帰れ」



危ねぇよ。



俺とお前じゃ住む世界ってのが違いすぎる。



バスルームに逃げて虎宇に電話した。



「あの箱入り、早く連れて帰れ」

「食べた?」

「テメーの妹差し出すような真似すんじゃねぇよ…」

「雷さん真面目。もっとぶっ飛んでんのかと思ったのに」

「俺になにを期待してんの?」

「留宇の内側、ちゃんと見つけてくれるかと思ったのに。雷さんのこと、買い被りすぎた」



ボディーガードを迎えに寄越すと言って電話が切れた。



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