俺様のカゴの中
迎えが来るまで何するか…。



リビングに出てきた留宇にコーヒーを出すと飲み出した。



「お前の相手は金持ちの御曹司がいい」

「虎宇みたいな?」

「アイツみたいな」

「そんな結婚ならあたしはしたくない」

「お嬢様はどんなヤツがご所望で?」

「雷さん」



バカか…。



満面の笑みだ…恐ろしい…。



「新しい自分、見つけたかもしれないです」

「…………」

「雷さんに恋します」



ふざけたことを…。



俺には結婚願望なんてねぇからな。



付き合うなら理解があって少しバカで、一緒にいて空気みたいな女がいい。



留宇なんてガキの無知な部分を寄せ集めたようなヤツだろ。



「俺と付き合いてぇならそれなりの女になってからにしな」

「はい、頑張ります」

「ママの言いなりなんて俺は対象外だ」

「頑張ります」

「マジ言ってんの?」

「たくさん勉強して、雷さんとつき合えるように頑張ります」



それから何を言っても留宇は『頑張ります』と言っていた。



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