俺様のカゴの中
迎えに来た男に留宇を引き渡し、飲みかけの留宇のコーヒーを片づけた。



ベッドルームに戻り、置きっぱなしにしてたケータイ。



アドレス帳から出したのは『キラ』の番号。



「雷にしては珍しい朝コールだね」

「店終わったんなら来いよ」

「もう家だからヤダよ。メイク落としたし」

「ご無沙汰すぎて犯罪犯しそう」

「出勤前なら行くよ。何時に出る?」

「ならいい。今日は時間ねぇんだ」



唯一の女も無理。



さすがにガキに欲情すんのはマズいだろ…。



キラは一時期付き合ってたヤツ。



キャバで働いてて、人気はそこそこ。



別れた理由は俺の忙しさとキラの仕事がイヤだったってこと。



別に嫌いで別れたわけではなかったけど、溺れるほど好きにもなれなかった。



俺は浮気は死んでもしねぇから。



好きな女ができた時は、俺しか見えなくなるくらい愛してやる。



未だにそんな女には出会ったことがないけど。



俺は好きなヤツを裏切ることは絶対しない。



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