俺様のカゴの中
キラが遠い場所に行くのか…。



少し寂しい気がした。



天涯孤独の俺に深い関わりがあるのは少ない友達とキラくらい。



「今日で最後かな~って思ったら」

「ヤっときたかった?」

「バカ雷。顔見たくなっただけ」

「元気でやれよ?まぁキラだから心配するだけ無駄だろうけどな」

「雷も元気で…ね?」



もみ消したタバコ。



どちらともなく抱きしめ合った。



キラは俺の腕の中で静かに泣いていた…。



『雷が愛してくれるならキャバやめてそばにいるよ』



睡魔に襲われる直前、昔言われた言葉を思い出した。



そのまま一眠りしてキラと一緒に目覚めた。



お互いに服を着てリビングで腹ごしらえ。



「オープン今日なの?」

「あぁ」

「そっかそっか!!念願の2店舗目だね。違うショップはどう?」

「あっちは趣味みてぇなもんだからそこまで力入れてねぇよ」

「雷らしい」



柔らかく笑うキラはキッチンで皿を洗ってくれた。



< 38 / 620 >

この作品をシェア

pagetop