俺様のカゴの中
水も飲めるようになったならすぐ退院できるかな?



気を利かせて帰った高宮さん。



ふたりきりの病室でカタカタ響きわたるパソコンのタイプ音。



「仕事やめて」

「なんで」

「雷さんが仕事人間なのはわかってるけど…。カラダに差し支える…」

「じゃあ仕事に見向きもしなくなるくらい俺を誘惑できたらやめてやる」



はぁ…?



言ってる意味がわからない。



誘惑って…。



それでも仕事をやめてほしくてベッドに座った。



「お仕事よりあたしに構って?」

「……それはお前の願望じゃねぇか?」

「ゆ、誘惑なんてしたことない!!」

「服脱いで俺の上に乗るくらいしてもらわねぇと」

「できるわけないでしょ…」



パソコン壊してしまおうか。



雷さん、全然学んでないじゃん。



「雷さんはあたしを残して死ぬ気?自殺志願者?」

「仕事じゃ死なねぇよ」

「死にかけたもん…」

「そうだな、仕方ない。これだけやらせてくれ」



もぅ!!



どうなっても知らないからね!?


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