俺様のカゴの中
善君を寝かせた後に帰ってきた雷さんにご飯を出し、今日の出来事を報告。



「善が?」

「意味はわかってないと思うんだけど…。なんて言えばいいかわからなくて…」

「俺がちゃんと話す。わかるまで」

「善君、ママが欲しいんじゃない?」

「留宇がママみてぇなもんだからな…。ママって歳でもねぇのに」

「でも嬉しかった。あたしに心を開いてくれてるんだな~って」



難しい顔をして、目の横にある傷を触る雷さんの仕草。



仕事中によく見るコレは考え事をしてる時の癖。



やっぱりあんな小さな善君にはわからないよ…。



ママとか、お姉ちゃんとか。



一緒に住んでるんだからママだと思っていたのかもしれない…。



「気持ちの問題だって、説明したってわかんねぇしな…」

「気持ち?」

「善を育てて行くって決めた責任っつーの?俺も兄貴じゃ通用しねぇのかなって。善が俺を親父だと思えばそれはそれでアリなんじゃねぇの?」

「戸籍上の兄であって気持ちはパパ?」

「そういうこと」



雷さん、善君のことちゃんと考えてるんだ…。



< 602 / 620 >

この作品をシェア

pagetop