俺様のカゴの中
ん~…。



ドキドキしない…。



アスカの友達ふたりは『タダメシ食えりゃあいいし』って言っていた。



虎宇の友達って…前に会った人達より薄っぺらい…。



「今度ご飯でも行きませんか?」

「か、考えときます…」



清水君に帰り際に誘われた。



真面目そうで頭がよさそう。



だけどあたしは…やっぱり雷さんがいいな…。



「留宇はタイラと先帰って」

「虎宇は!?」

「アスカ送ってから帰る」



まだお母さんが帰らないから、あたしの送迎はタイラさん。



せっかく外に出たのに楽しくなかったな…。



「どうかなさいましたか?」

「タイラさんは恋したことあります?」

「ありますよ」

「好きな人以外はよく見えないんでしょうか…」

「そうかもしれませんね」

「やっぱり好きなのかな、雷さんのこと…」



今までは確信を持てなかった部分があった。



虎宇以外の男の人を雷さんしか知らないから…。



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