俺様のカゴの中
無理に恋しようとしてたのかなって思ってしまった時もあったけど…。



将来有望な医者の息子より、最先端のファッションデザイナーの息子より、食品会社の御曹司より…。



あたしは雷さんに惹かれる。



「お嬢様は素直な方ですね」

「素直?」

「私なんかと比べたら素直で純粋でカワイらしいです」



タイラさんに誉められたら少し嬉しくなった。



自分が素直だなんて思ったことないよ。



「タイラさんって何歳ですか?」

「26になりました」

「彼女は!?」

「生憎、そのような方は…」

「カッコイイのにもったいない!!」

「はははっ!!お嬢様にそう言っていただけて光栄です」



雷さんと同い年のタイラさんにもトキメかない。



やっぱりあたしは雷さんが好きだ。



その後、虎宇が帰宅したので部屋へ駆け込んだ。



「今日合コン行ってよかった」

「それで?」

「やっぱり雷さんが好きみたい」

「そっか。わかったならいいや」



虎宇が何をしたかったのか、少しわかった気がした。



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