俺様のカゴの中
あたしの気持ちを確認させるためだ。



雷さんしか知らないあたしに他の男を見せたのはそういう意味。



「でも虎宇の友達、前の人たちと違うね」

「どっちがいい?」

「たっくん達の方が虎宇に合ってると思う」

「俺も思うよ」



苦笑いの虎宇。



あたしは知らない。



虎宇が背負うモノの重さを…。



「留宇は…いつまで俺の見方でいてくれんのかな?」

「あたしはずっと虎宇の見方だよ?」

「ありがと。ほら、早く寝ないと明日は学校だ」

「おやすみ、虎宇」

「おやすみ、留宇」



虎宇にだって悩みはあるのかな、なんて初めて思った。



アスカと虎宇が結婚できるとは思えない。



頭のいい虎宇がアスカを選ぶこと事態、あたしには不思議。



きっと虎宇はアスカが大好きなんだね。



あたしは応援してるよ、虎宇とアスカを。



部屋に戻ってケータイを見つめて。



雷さん、あたし料理少し覚えたよ?



ちゃんと好きな服着てる。



そろそろ…出直していい?



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