【愛祐実×詩音】旦那様とあたしの秘密の夜♪
「あの───…」
そろそろ本当に時間が………。
そう言いかけた
瞬間──
「ダメだっ!やっぱりこのままじゃ───!!」
社長が突然口を開くものだから、ビクッと体が震えてしまった。
「あの、社長?」
話がさっぱり見えませんが。
「行くぞ、光姫」
社長は、あたしの腕をグイッと引っ張り、自分の胸に抱き寄せる。
「へ?」
「オレが高校生に負けてたまるかっ!!」
……だから、何を?
さっきから“負け”とか言ってるけど、一体何のことを言ってるのか……皆目見当がつかない。
「ちょ、離して!皆見てるから」
あたしは体を捩った。
でも社長は更に力を強めて離そうとしない。
「んもうっ、いい加減にしてよ!!」
大声で叫びたいところを“ここは公共の場…あたしは秘書…悠河は社長”
と呪文のように心の中で自分に言い聞かせ、周りに響かない程度に説得を続けた。
それなのに社長は……
とうとうとんでもないことを口にする。
「光姫、今すぐ家に帰るぞ!!」
「は?家に?何でよ?!」