【愛祐実×詩音】旦那様とあたしの秘密の夜♪


「あの───…」


そろそろ本当に時間が………。


そう言いかけた
瞬間──


「ダメだっ!やっぱりこのままじゃ───!!」


社長が突然口を開くものだから、ビクッと体が震えてしまった。


「あの、社長?」


話がさっぱり見えませんが。


「行くぞ、光姫」


社長は、あたしの腕をグイッと引っ張り、自分の胸に抱き寄せる。


「へ?」


「オレが高校生に負けてたまるかっ!!」


……だから、何を?


さっきから“負け”とか言ってるけど、一体何のことを言ってるのか……皆目見当がつかない。


「ちょ、離して!皆見てるから」


あたしは体を捩った。


でも社長は更に力を強めて離そうとしない。


「んもうっ、いい加減にしてよ!!」


大声で叫びたいところを“ここは公共の場…あたしは秘書…悠河は社長”

と呪文のように心の中で自分に言い聞かせ、周りに響かない程度に説得を続けた。



それなのに社長は……
とうとうとんでもないことを口にする。


「光姫、今すぐ家に帰るぞ!!」


「は?家に?何でよ?!」




< 14 / 21 >

この作品をシェア

pagetop