【愛祐実×詩音】旦那様とあたしの秘密の夜♪
「決まってんだろ!!オレたちは負けてんだよ」
「だから、何を?!」
意味が分からなくて、あたしはだんだん秘書としての立場を忘れ、感情的になってしまった。
「あ…あの……」
あたしの後から女の子の声が聞こえる。
たぶん、あたしたちの空気が険悪になってきて、心配になったんだと思う。
“大丈夫だよ”
って言ってあげたくて、後を振り向こうとしたら───…
「子供作るぞ、今すぐ」
頭上から耳を疑うような言葉が降ってきた。
その瞬間、あたしの思考回路はショート。
振り向くこともできず、体が固まった。
い、今……何と──?
子供作る…って聞こえたような…?
「オレが本気になれば子供なんてすぐできんだよ!!…くそっ、高校生に負けてたまるかってんだ!!オレのが経験豊富だからテクニックは断然上に決まってる!!」
「………」
あたしはもう絶句状態で何も言えなくて。
社長が勢いで口走った失言の数々──いつもならきちんとフォローすべきところだけど……
今のあたしにそんなことを考える余裕は1ミリたりともなかった。
社長が吐き出した言葉が、頭の中で何度もリピートされてる。
“作る……子供……今から……作る……子供……今から……”