明日にゃ明日の風ふくさ
「君たち、あの子を知らないのか!?」
その中の1人で、いかにもガリ勉というメガネをかけている男の子が、いきなり話しかけて来た。
「し、知りませんけど…。」
ゆうきが恐る恐る答えると…
「知らない!?あの子はね、問題児なんだよ。」
「…問題児!?」
「僕も噂でしか聞いた事がないけど、あの子が行ったクラスは必ずと言っていいほど、学級崩壊してしまうらしいんだ。」
「が、学級…!?」
私たちがびっくりしているのも差し置いて、そのガリ勉君はべらべら喋り続けた。
「全く迷惑な話だよ。まさか同じ中学校だなんて…」
まだガリ勉君は何か喋ってたけど、私はもう聞いてなかった。
どうしても、遠くにいるあの女の子が、問題児には見えなかったから…。