明日にゃ明日の風ふくさ
「それではクラスごとに体育館に移動して下さい」
放送により、静まり返っていた周りも、スイッチが入ったかのように、またざわざわし始めた。
「めぐみ!私たちも行くよ!」
「わっ…う、うん。」
みさきに腕を捕まれて、私は我にかえった。列に戻りながらも、私はどうしても納得いかなかった。
「……。」
体育館に移動している時も、あの子の笑顔が忘れられない。ずっと頭に残っている。
あの子が問題児なわけない…
何故か分からないけれど、そう思わずにはいられなかった。
そう思う私に気づいてか、ゆうきが後ろの方を見ながら私に話しかけて来た。
「あの子、4組って言ってたよな。つとむと同じクラスじゃん…。」
つとむと…。
この時の私たちは、これから大変な事に巻き込まれて行くなんて、夢にも思っていなかった…。