テアトロ・ド・ペラの憂鬱
やっぱりまだドウテーだな、と心中で呟いて、そのままセッタに唇を近付けてアルデンテを舐めてもらった。
それから舌を絡ませて、わざと荒い息遣いで窓を一瞥する。
真っ赤になった眼鏡が窓枠から消えるのを見て、アコは品なく、にやりと笑う。
「アコ、悪戯が過ぎる…」
最後の最後に、セッタが無表情でそう口にした。
「セッタも乗るなよ…」
更に呆れたボウラーだけが、跳ねるように逃げた少年に同情したかもしれない。
し、しなかったかもしれない。
あぁっこの素晴らしき日々!
[テアトロ・ド・ペラについての見解]・終