テアトロ・ド・ペラの憂鬱













「パンティが一枚もない?」

夕飯待ちをしていたピピが、通称「武器庫」で新しく取り寄せたベレッタをコレクションとして眺めていた時だった。

騒がしく「武器庫」に入ってきたアコに目を丸くし、次にはない眉を深く深く顰ませた。

「んなことあるかよ。洗濯に出したんじゃねえの」

もしかしたら自身を貶める罠かもしれない。

確かに昨夜、彼女を抱き、パンティを脱がせたのはピピであったが、その後にガフィアーノが続いた筈。

よって、パンティに触ったのは自分が最後ではないわけで――しかし全部となると、そんなことは関係ない。

「…なんで一枚も残さず洗濯に出さなきゃいけないわけ」

随分と機嫌が悪い。
しかし知らないものは知らないのだから、なにをどう返せというのか――普段ならアコの不機嫌に触発されたピピがベレッタかナイフをぶちかましていただろうか、幸い、今日の彼は機嫌が良いらしい。

ピピの手元にある新しいベレッタはまだ空薬莢しか入っていないので、彼女が撃たれる心配もなかった。







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