テアトロ・ド・ペラの憂鬱
あぁ、爽やかな夜!
何故、こんな冷えきった空気が、団欒時のリビングに漂う必要があるのか。
それもこれも、アコがノーパンだからいけない。
そうに、違いなかった。
「…その前に報告。ガフィ!」
ピシー!
そしてロンメル・アコが手にしていた三股の鞭をチェストに叩き付けた。
(※史実のロンメルさんは鞭なんて持ってません)
先日、ボウラーとSMごっこをする為にネットで購入したといっていたアレだ。
アコに指名されたガフィアーノがゆっくりと立ち上がる。
手にはなにやらクリップで留められた数枚の紙。
「…報告します。本日十四時過ぎ捜査開始」
わざとらしく咳をひとつ、そう厳かに前置きしたボウラーに、ピピとボウラーが目を丸くした。
「捜査って、え、したの?」
「おいおい…、冗談だろ」
思わずカーラを見るが、あえて視線を逸らされた。
そんなパパの姿に、ピピもボウラーも絶望を前にしたように顔を見合わせ、クリスチャンでもないくせに胸で十字を切ったのである。