テアトロ・ド・ペラの憂鬱
「どうして、こんなことをしたんだ…」
エロ下着を拾い上げたカーラが、呆れたような声でデリアスを見る。
誰にも気付かれないように彼を連行したが、彼はどこにでもいる一般人だ。
現にこの雰囲気に耐えきれず、下を向き、ふるふると震えている―――パンティごときで申し訳ないような気もした。
「ったくさあ、なんでよりによってパンティ!?ハジんとこのバカクレオパトラの復讐かと思ったじゃん!」
そんなデリアスの目の前でアコが憤慨している――そこら中にパンティが転がっているにも関わらず、彼女は未だノーパンだ。
そんなアコに。
「ばか言うなよ。プリンプリンのセクシークイーンは、今バハマでバカンス中だ」
とは、ピピ。
彼はクレオパトラのファンだった。
彼は彼女を、「俺が見てきた星の数の女共のなかで、ナンバワン最高に熱い女」と証言していたが、その次の日、アコにもそう囁いていた。
とんだ牧師が居たもんである。
「…アコ、ハジのクレオになにしたんだよ」
これはボウラー。
彼は女性に関しては潔癖のケがある。
だから素性の知れない女とは寝ないし興味もない。