テアトロ・ド・ペラの憂鬱
「…はしたないな、アコ」
両腕を拘束され、無理矢理両足を広げさせられる。
なにひとつ動かせやしない状態で、男ふたりに抱かれている――その状況下でも、アコの身体は男達を悦ばせる為だけに反応した。
じゅくじゅくに蕩けた脳味噌が、耳殻から流れていきそうでこわい。
「アコ、…ほら、上がっておいで」
耳元で囁かれる声。
裸体のガフィアーノが、彼女の身体に絡みつく蛇のようにゆらりと波打ち、身体半分を床に転がしていたアコを引き上げた。
「ふふ…」
鍛えぬかれた筋肉の動きが肉々しく自分の身体を包むその様に、アコが陶酔したように笑む。
「愉しいか?」
その恍惚とした瞳が、既に興奮しきっているガフィアーノとカーラを更に昂らせた。
ガフィアーノとカーラの嗜好は似ている。
サディストの申し子であるようなふたりは、拷問のようにじわじわと責めたてて、喉をゆっくりと締め上げてゆくように追い詰めるのが、好き。
大切に大切に育てた昆虫を、優しく優しく掌に包み込み、組織を傷付けないように、虫ピンを差し込んでいくような、セックス。
だから、ふたりは組んだ。