*SWEET LESSON*
「大和君?いーえ?見てないけど…」
「え?このハンバーガー、大和が置いてったんじゃないの?」
これ と、手にしていた袋を見せる。
「あぁ、それね。
お母さんが帰ってきたら、ドアノブの所にかかってたのよ。何かなーって思ったらさな宛の手紙が入ってたから部屋に置いたの。あ、中身は見てないわよ?表の宛名だけ…。
大和くんなの?それ…」
「うん…。だと思うけど。
喧嘩しちゃって合わせる顔がなかったからだと思うよー?中々粋だよね」
「粋ってあなた…。年齢詐称してるんじゃないの?」
疑惑の目を向けられてますが、あたしはあなたから産まれてますから。詐称でき無いと思いますよ。
「あ、そうだ。上に置いてきたジュース取ってこよーっと」
下でそのまま食べよう。今5時だけど…お腹空いてるから夕飯だって食べれるもんね!
あたしはスキップする勢いで階段を駆け上った。
……能天気なあたしは、この後の母の独り言なんて耳に入る筈がなかった。
「そう…大和君がね…。
でも、私が帰って来た時は2時半よね…?その頃はまだ学校だったんじゃないかしら?
ま。いっか♪」
血は争えないというのか。
あたしの能天気さはきっと、いや絶対 母から譲り受けたものだろう。
こうして、着々とあたしの行く末に待っているものが
とてつもない地獄と決まって行くのだった。