*SWEET LESSON*
この学校に入れた時点で、中学で学年トップクラスの成績ということは確定済みで。
それだけで凄いと思うのに
さらに、入試の時のテストで一位から順に決定した特Aクラス15名の中に大和が居るんだよ!?
例えるなら全国模試で50番以内に入るような、そんな人たちばかり。
あたしには雲の、そのまた上の存在で。
そんなすごい人がかーなーり近くに居たという事をついさっき知って 動揺しない方がおかしいのだ。
「ほら、シャキッとして!!あたしがフォロー入れるし、ダイジョーブだから!!」
「はぁ……」
言われたとおり、取り合えずシャキッとして
予鈴が鳴り響く廊下に出た。
1年の教室は3階。そのうち特Aクラスはいちばん奥にあって、他のクラスからはかなり浮いた存在になっていることがよく分った。
こんな差別化、良いのかな と思いつつ
それがここの教育精神なら仕方がないと思ったりもする。
特Aクラスになれた子は良いけれど、入試の時に点数が低かった子たちは、ここでは一番レベル的に下とされるDクラスになっちゃうんだから…。
時代は変わりゆくものなのだから、格差社会のような事は廃止にすればいいのに。
心の中でぶつぶつ言いながら、気づいたらもう一番端の扉の前に来ていたのだった。
教室の中から聞こえる想像以上に騒がしい声。
それに動じることなく綾さんは引き戸に手をかけた。
「じゃ、行くよ」
「は……はい」