*SWEET LESSON*
「なによ、その恰好!!目立ちすぎなんですけど」
「気に入った?自分で言うのも何だけど、結構美人だと思うんだけど。喋るとキモイけどな」
かかかっ と笑うエセ外人。
肩幅は、ゆったりとしたコートで上手く隠されているけど
その喉仏は隠れないわけ?
まあ、気づく人はいないだろうけどさっ。
「薫さんに頼んでカツラと服貸してもらった。メイクはそこのスタッフに」
「薫ちゃんに!?」
あいつ忙しいんじゃなかったのか!?
全く。
薫ちゃんは昔から大和を気に入ってたんだけど、忙しいと言っていた筈なのに
こんな変なお願いでも彼の為ならしちゃうくらいご執心なのか…。
「忙しいのに、さなの為ならって 無理して時間作ってくれたんだぞ。まあ、仕事中だから条件出されたけど」
「条件?」
「一度だけでいいから、モデルとして自分がデザインした服を着て写真撮らせてくれって」
わー…。絶対私用入ってるよ、ソレ。
「っつーことで、せっかく女装して美人になったんだからさ。今日は楽しもうぜ~♪」
言いながらあたしの腕を取って、自分の腕へと絡ませる大和…いや、ディアナ。
ブルーのカラーコンタクトの入った、パッチリ二重に微笑まれると 何だか妙な気分だったけど
こんな機会は滅多にないし。楽しんじゃおうかなっ。
うふふ…。この時ばかりは君に感謝してあげるよ、ストーカー君!!