*SWEET LESSON*












**********





無事にケータイを新調したあたし達は、いつものニャックドバーガーに来ていた。



二人お揃いの、新しく発売したばっかりの機種。


これ位なら誰にもバレなくて済むし、何だか安心感がある気がするんだ。



「えへへ…。お揃いかー」


「アホ面さらしてないでさっさと食えよ」



…何さ。急に冷たくなるんですね、ディアナさん。



「ショップの店員に女装趣味があるって思われたことがそんなにショック?」


シェイクのストローを咥えながら、さっきあった事を思い出してニヤケてしまった。



大和は機種変だけだったから、身分証とかは必要なかったんだけど

変更するために書いた書類には田原大和の名前が記されるわけで、その見た目と書類のあまりの違いに

「申し訳ありませんが、ご本人と確認できるような顔つきの身分証を提示していただけませんか?」


と疑われ、素直に学生証を出した大和のその写真とディアナの姿をまじまじと見比べられて


「あ…ご本人様ですね…。ホント…なんて言うか…申し訳ありません」



本気で謝られてしまった。



「まだ笑われた方がマシだ」


「あー。あれは慰めというか、奇特な人を見る目だったもんね」




それからずっと不機嫌なディアナを連れて歩いたあたしはたまったもんじゃなかった。


我ながらよくあの雰囲気に耐え抜いたと思うよ。





< 122 / 365 >

この作品をシェア

pagetop