*SWEET LESSON*
*Three*
帰り道。電車に揺られながら、ぎゅっと 大和の手を握っていた。
まさか、先生が“Y”?
そんなの信じらんないけど…橋田先生の名前は、康弘(ヤスヒロ)で…。
今のところ一番疑わしい人物だと思う。
ニャックドバーガーで、あたしの顔色が変わったのを見て
大和が帰ろうと言ってくれた。
「またな、長谷」
その時の笑顔ほど、恐ろしく感じた事はなかった。また…か。今度はいつ会うつもりなのだろうか。
トレイがそのままだという事に気づき、近くに居た店員に片づけをお願いしてから店を出たのだった。
長い腕に、あたしの手を絡ませて『掴まってろ』と大和は言ってくれた。
それから
「どうしたんだ?」
と優しく聞いてくる。
けれどその顔は真剣で。あの会話から大和も何か察してくれたのだと気付く。
「まだ言ってなかったと思うんだけど…。3日前にもあの白い封筒が届いていたの」
「…あの、倒れた日だな?」
あたしはコクリと頷き、その続きを話して聞かせた。