*SWEET LESSON*
玄関にかけられた袋。好きだと知っていたスペシャルセット。そして、柳瀬さんに送ってもらった事を知っていること。
家の場所だけでなく、そんな 誰も知らないようなことばかりを“Y”は知っているんだ。
あんなことを実行できるのは、橋田先生しかいない。
「…だって、手紙が届いたのは先生に会ってからだもん…」
「………」
ゆっくり ゆっくり 歩きながら話して。終わる頃には、家の近くまで来ていた。
「大和…怖いよ…!」
大好きで、信頼していた人だからこそ
こんな風に疑いたくなかった。
なんで、こんな事になっちゃったのかなぁ…?
「…俺の側に居ろ。何があったって守ってやるから。
だからさ、何でも話してくれよ…?手紙の事も、変だと思う事も。
俺…あの日、柳瀬に送ってもらったなんて知らなかったし…」
「あ…」
悲しそうな顔…。
あたし、なんで送ってもらった事を隠そうと思ったんだろう。
こんな顔させるくらいなら、どんなに怒られたって話すべきだった。
悲しませるために付き合っているんじゃない。今のお互いの立場なら尚更。
「ごめんね…。何かあったら、直ぐに大和に言うね…」
「うん」