*SWEET LESSON*
「どういう事なんだ?さな」
恐ろしく低い声に、思わず身震いしてしまうほどで
スーツ姿の彼が、どうしてうちに居るのか
直ぐには理解できなかった。
そこに居たのは
「…柳瀬さん…」
ポケットに手を突っ込んで、眉根を寄せているその人だった。
「お前、田原だな…。説明しろよ、どういう事か」
鋭い瞳で睨まれた大和は、あたしをまた抱き寄せて
柳瀬さんを睨み返した。
朝早くから牽制し合う二人に挟まれる様に身を縮ませるあたし。
これからどうなるのか、どんな恐ろしい話し合いになるのか
誰にも分る筈はなかった。