*SWEET LESSON*
「だからね…」
「もー…いいよ…」
俯きながら、柳瀬さんはそう言った。
「要するに、俺の愛情を田原のものとすり替えてたって事だろ?ったく…
そんなにこいつがいいのか?」
「え…?」
急に話が変わってしまったように思えて
何を答えたらいいのか、分らなくなった。
「こんな…腹ん中で何考えてんのかわかんねー様な奴。
身長もバカでかいしよー。嫌味な位頭も良いし。
顔は…俺には劣るけどなッ」
「おい」
大和が苦笑いになる。
「それに…
俺と付き合った方が、辛い事は少ない。そうだろ?
これから先、3年間も色々と我慢しなくちゃいけないんだ。
それを分かっててもこいつが良いって言えるのか?」
「…言えるよ。
それだけ困難な恋愛してるんだよ?手放すのは馬鹿げてる。
これほど完ぺきで、あたしを愛してくれる男
これから先、きっと現れないと思うもん。
それにね。辛い事と幸せな事は平等にやってくるんだから。
今が辛かったら、後は幸せになり放題でしょ!!」