*SWEET LESSON*
ふ…と、二人が笑った。
「あーあ。すげー女と付き合ってんだな、お前。
ある意味ソンケー」
「まーね。ちょっとバカなとこがいいんだよ。その分苦労するけど」
「わっかるー♪」
は…?何言ってくれちゃってるわけ?
っつーか。今までの険悪なムードはどこに行った。
むくれていると、柳瀬さんが
今度はきちんとあたしに向かって微笑みながら口を開いた。
「…知ってたよ。お前が俺に気がないって事くらい。
これでも女好きで通ってるんだぞ!あんまり見くびらないでほしいねー。
でも、こんなに夢中になったのは初めてだった。
…好きになったのはさ。
お前と理由が一緒だけど
自分を理解してくれてる奴なんだ って分かったから…だと思う。
あんな辺鄙な家族で、頼れるような親友もいなかったから
ついつい誰かに縋りたかったんだと思う。ましてやそれが理解者だと気付けたのなら
恋愛感情に走るのも無理ないと思わない?」
「…さなは気を持たせるようなとこあるし。それが無自覚だってのがきっついんだよなー」
「…君も辛いんだね」
男たちは、お互いに頷き合いながら
あたしを置いて話はどんどん進んでいく…。