*SWEET LESSON*
そんなことは露知らず、喧嘩を振っているとは気付かないかれは続ける。
「わかる!!分かるよ?
今まで男子校で、目の保養になるやつと言えばお前しかいない!!
けどな。
こっちは生身の女の子なんだぞ!?興奮して何が悪い!!!!!」
…いやちょっとその発言はどうかと思うぞ。
「……知るか。馬鹿を相手するほど暇じゃないんだよ」
言いながら暇そうにまたパラパラやり始めてますがーーーーっ!!!
「皆さん、喧嘩はやめてください!
田原君、私のせいで不快な思いをしたのなら謝ります。
ですから、仲良くしてくださいませんか?」
「………」
…このお嬢さん。
かなりの純粋なんだな…。優しい子なんだ、きっと。
大和には悪いけど、今は彼女の味方だ!!
「……馬鹿ばかし…」
大和は立ち上がり、寝ていた国枝君の首根っこを掴んで
ずるずると引きずるようにして教室から出て行ってしまった。
「ち…ちょっと!!田原君ッ!?」
あたしの叫びに、後ろを向いたままひらひらと手を振って
屋上へと続く階段を上って行ってしまった。