*SWEET LESSON*



「でも…告白なんて私した事無くって…。先生はそういう経験ってあるのですか?」


「え゛!?あたしの事はいいんじゃないかな??それより白鳥さんの事を…」



こうしてたまに来るカウンターにびくびくしながら、


結局何の解決もしないまま昼休みは終わったのだった。


彼女は予想とは反し、すっきりとした顔で

「ありがとうございました。私、誰にもこんなこと言えなくて…。

これからも相談させてくださいませねっ」


と、さっさと教室に戻っていったのだった。



相談場所の図書準備室(只の物置だけど)に一人残されたあたしは、また来ると思われる彼女の後姿をそっと見て


大きく息を吐きだした。










「長谷せーんせっ」


「ひぃぃぃぃい!!」



誰もいない筈なのに、誰かがあたしの背後に…!!



「何でそんなに驚くのさ!」


「や…柳瀬先生!!!??どっから入ってきたんですか!」



白衣のまま、分厚い本(サボテンと仲良く接する方法とかいう本だった)を顔の横に持ってくる形で彼は居た。



そしてそのままあごであたしの右後ろを指す。



「あ。」



扉…。


そうか、図書室からも入れるんだもんね。



「で?なんでこんなとこに籠もって恋バナなんかしちゃってるわけ?しかも自分の男の相談なんかされちゃって…」


「~~~!!!聞いてたの!?ヤラシーーーー!!!!」



最低だ!!



幾ら大和の事を話しているからと言って盗み聞きするなんて


やることが男らしくないんだよッ!!





< 207 / 365 >

この作品をシェア

pagetop